■ 日経1面が示した“見逃せない現実”
2025年11月30日付・日本経済新聞の1面に、
こころの不調による経済損失は年間7.6兆円(GDPの1%強)
という試算が掲載されました。
欠勤だけでなく、出勤していても力が出せない「プレゼンティーイズム」が大半を占める、とされています。
■ こころの不調は特別な人だけではない
記事では、入社1年目でうつ状態になった女性の例が紹介されていました。
真面目で努力家で、知らないうちに自分を追い込んでしまう──これは誰にでも起こりうることです。
気分障害の患者数は、この20年で約2倍に増えています。
その背景には、職場や学校での競争、SNS疲れ、睡眠不足、経済的不安など、現代特有の環境要因が並びます。
■ いま職場で求められる3つの視点
医療労務コンサルタント研修でも強調されるのは、まさに次の3点です。
● 1.一次予防(不調を起こしにくい環境づくり)
相談しやすい空気づくりや、業務量・業務配分の見直しが基本になります。
「がまんして頑張る」だけに頼らない働き方が求められています。
● 2.早期発見
表情、遅刻の増加、作業スピードやミスの増え方など、
いわゆる「ちょっとした変化」は、こころの不調の大切なサインです。
日常のコミュニケーションの中で気づける仕組みが重要です。
● 3.復帰支援
主治医の意見を踏まえた段階的な復帰や、復職面談のルールづくりも欠かせません。
あらかじめ就業規則や社内ルールに明文化しておくことで、本人も会社も安心して復帰のステップを踏むことができます。
■ おわりに:気づきと相談の輪を広げるために
こころの不調は、「気づけるかどうか」で結果が大きく変わります。
相談できる場所が限られているという指摘もある中で、企業や地域の支援体制づくりは、これからますます重要なテーマになっていきます。
私自身も、研修で学んだ内容を実務に落とし込みながら、
働く人と企業の双方を支える体制づくりに取り組んでいきたいと考えています。

