外国人材の受け入れが進む中、労務管理の不備が深刻な割合で確認されていることが明らかになりました。
群馬労働局が公表した監督指導結果によると、昨年、技能実習生を受け入れていた292事業場のうち205事業場(70.2%)、特定技能外国人を受け入れていた159事業場のうち124事業場(78.0%)で、何らかの法令違反が確認されています。
技能実習と特定技能――制度は違っても、問題点は共通
技能実習制度は「途上国への技能移転」を目的とし、受け入れ企業には教育的な指導を行う義務があります。
一方、特定技能は人手不足分野での即戦力人材としての在留資格であり、日本人労働者と同様の労務管理が求められます。
目的も制度設計も異なる両制度ですが、今回の監督指導では共通して安全衛生管理の不備が目立ちました。
具体的に多かった法令違反
- 技能実習
・安全基準違反(25.7%)
・割増賃金の不払い(13.4%)
・機械を停止せず調整作業を行わせ、負傷事故につながった事例 - 特定技能
・使用機械の安全基準違反(28.3%)
・健康診断の未実施(15.1%)
いずれも、悪意というより「日本人と同じ感覚で大丈夫だろう」という思い込みから生じているケースが少なくありません。
「申告できないリスク」という見えにくい問題
外国人労働者からは、賃金不払いなどの申告も寄せられています。
しかし、言語の壁や「申告すると不利になるのではないか」という不安から、表に出ていない問題が相当数あると考えられています。
これは企業側にとっても、気づかないうちにリスクを抱え込んでいる状態と言えます。
これから企業に求められる視点
人口減少と高齢化が進む中、外国人材への依存は今後さらに高まります。
その一方で、
- 安全衛生管理は十分か
- 賃金・労働時間の管理は適正か
- 制度の違いを正しく理解しているか
といった基本的な労務管理が整っていなければ、安定した受け入れは続きません。
「問題が起きてから」では遅い
今回の結果は、外国人雇用において事後対応ではなく、事前点検・予防的な労務管理が不可欠であることを示しています。
労働局も「重大・悪質な事案には厳正に対応する」としており、企業側にはこれまで以上に主体的な改善努力が求められています。
外国人材が安心して働ける環境づくりは、結果として企業自身を守ることにもつながります。
制度を正しく理解し、現場の運用を点検する――
今こそ、その一歩が必要な時期ではないでしょうか。

