特定技能外国人を受け入れている企業に対する「定期届出」について、 近時、様式や記載内容が実務的に見直されています。
「年4回から年1回になった」という点は比較的知られていますが、 実務上はそれ以上に、報告内容が精緻化されています。
単なる回数変更ではありません
今回の見直しは、提出回数の簡素化というよりも、 受入れ後の管理状況をより具体的に確認する方向への変更といえます。
具体的には、次のような項目の記載が求められています。
- 実労働日数の月平均
- 所定内実労働時間数と超過実労働時間数の区分
- 超過労働給与額(割増部分のみではなく全額)
- 賞与・期末手当等の平均額
- 一定の場合の昇給率
これらは、在留資格変更許可申請や更新申請の際に 確認される内容と重なる部分もありますが、 今後は「毎年」定期的に把握・報告する形になります。
制度は「整備型」へ移行しているように見えます
特定技能制度は、人手不足分野における重要な制度です。 今後も制度自体がなくなるという流れではなく、 むしろ安定的に運用していく方向にあります。
その一方で、労務管理や処遇の状況については、 数値ベースで継続的に確認する体制へと移行しつつあります。
これは、受入れを抑制するというよりも、 制度を持続可能な形で運用するための管理強化と理解するのが自然でしょう。
実務上の注意点
特に実務で迷いやすいのは、次のような点です。
- 有給休暇取得日の扱い(実労働日数に含めるかどうか)
- 夜勤や変形労働時間制の時間数整理
- 超過労働給与額の算出方法(割増部分のみではなく全額記載)
- 昇給率の算出基準となる賃金の範囲
日頃の勤怠管理や給与計算が整理されていれば、 対応が困難な制度ではありません。 ただし、算出ロジックを曖昧なままにしておくと、 報告時に混乱が生じる可能性があります。
今からできる準備
定期届出の提出期限までは時間がありますが、 次の点をあらかじめ整理しておくと安心です。
- 勤怠データの集計方法の確認
- 残業時間の区分基準の明確化
- 超過労働給与の算出方法の統一
- 賞与・昇給履歴の記録管理
制度が「拡大型」から「整備型」へと移行している今、 日常的な労務管理体制を見直す良い機会ともいえます。
今後も制度の動向を注視しつつ、 実務への影響を整理していきたいと思います。

